愚か者が吹く笛の音に雲が笑う

愚か者が漏らす戯言

譲位!?生前退位!?じゃあ、定年退位なら!?

皇后様が天皇陛下の譲位に関して、メディアが生前退位と報道した事に違和感があるとのコメントが公表された。

確かに、皇后様のお立場を考えると、その様な声は理解が出来ないものではないし、それが、ある意味、陛下の代弁とも言えるのかもしれない。

その様に考えると、譲位はそのまま譲位として報じるべきだった様にも思う。

しかし、それは、あくまでも結果論なんだよね。

じゃあ、何故、メディアがわざわざ、生前退位という言葉を用いたのか。

先ず、私は皇后様とは違って、譲位の方に違和感がある。

何故なら、譲位にはエゴが含まれてしまう様に感じるのです。

要するに、続ける選択肢もあるけど、譲りたいから譲る。

天皇という立場を考えると、その選択が許されない様に思う。

いや、個人的には許してもいいとは思うが、憲法解釈において問題になるのかもしれないんだよね。

天皇の意向に添う形で譲位が為される事は許されるのか。

それを許してしまう事の危険性も分からないでもない。

その様な点で、私は譲位の方に疑問を感じたりもする。

一方、退位の方は仕方のなさがある様に思うんだ。

選択肢がそれしかない。

だから、退位なら仕方がない。

死による退位も仕方がないけど、加齢による退位も仕方がない。

私はそんな風に感じている。

結局、現行憲法のままだと譲位が出来るとは限らず、場合によっては改憲の必要性も生じてくる訳だよね。

そうなってくると、譲位をすぐには出来なくなってしまうだろう。

改憲議論に首を突っ込んでしまったら、100年あっても時間が足りない様に思う(苦笑)

極端な話になるけどね。

そして天皇陛下はご自身のお立場を十分にご理解した上で、譲位のご意向を申されたと思うんだ。

それは天皇の定年制というものの問題提起ではないかと。

加齢というものが、公務に支障をきたす様であれば、果たして、このままでいいのか。

陛下ご自身の中で葛藤もあるのかもしれないし、そんな苦痛を子孫達に味合わせたくはないとの想いもあるのかもしれない。

十分な公務が出来ない状態になってまで、天皇天皇でい続けなければならないのか。

自分の意向での譲位が許されないのであれば、定年という仕組みによって譲位が出来ないものか。

天皇陛下は、その様な想いもあって、譲位のご意向を表明されたのではなかろうか。

そしてメディアは陛下の想いを汲む形で、譲位という言葉を避けて、生前退位という言葉を用いたのかもしれない。

メディア側には、別の思惑もあるのかもしれないが、邪推をしてもキリがないので、生前退位という言葉に悪意を植付ける事には疑問も感じるのです。

決して悪意の存在を否定する訳ではないが、悪意で語る事も建設的でないと思うんだよね。

だから、あくまでも善意の方で考えた方がいいのではないか。

そうすると、生前退位を用いたのは、改憲議論との正面衝突を避けて、定年制の導入を実現する為なのかもしれないよね。

要するに、定年制の取り敢えずの名称として生前退位を用いた。

私は、その様な見方も出来る様に思っている。

しかし皇后様は前例のない言葉にご心痛を感じておられるとの事。

確かに、前例のない事をやろうとしている訳だから、前例のない言葉も出てくるだろう。

そして、それは未来の為に前例を作る過程での、生みの苦しみなのかもしれない。

前例がない事が問題であるならば、今、此処で前例を作る事が未来の為になるのではないか。

そんな風に思ったりもするのです。

その上で皇后様のご心痛を和らげる事が出来たら。

そこで、生前退位ではなく、定年退位にするのはどうか!?

そもそも天皇陛下は定年制の導入に対する問題提起をしたと思うんだ。

そして譲位に拘る事は譲位を実現出来ないものにしてしまいかねない。

それでも、譲位に拘るべきというのであれば、それも一つの選択肢ではあるだろう。

寧ろ、私個人的にはどちらかというと、そちら側だったりもする。

勿論、天皇の意向により、譲位が為される事には疑問も感じるよ。

それでも私は改憲論者なので、議論を尽くして、改憲が必要なら改憲をして、定年による譲位をした方がいいと思うんだ。

更に、それは、改憲の必要性を示す上で、追い風にも出来るのかもしれない。

しかし、それでは護憲派の反発を招いて、定年の実現への障害にしてしまうだけだと思うんだよね。

だったらば、この件に関しては改憲議論を避ける事も選択肢の一つには、なり得ると思うんだ。

その為の言葉として生前退位が不適切というのであれば、定年退位だったらどうか。

そして呼び方はともかくとして、天皇の定年制を実現する事で、平成という時代が平和であった事の象徴、そして、集大成にする事も出来るのかもしれない。

そう考えると、前例のない言葉で定年制を実現する事も悪くはないとも思うのです。

その方が未来へのメッセージになるのかもしれないよね。

最後に私の結論として、個人的に違和感があっても、皇后様がそう言う以上は、正面衝突をしてでも定年による譲位を目指した方がいいと思う。

しかし、だからこそ逆に、別の選択肢も否定はしたくない。

どちらかが正しくて、どちらかが間違っている訳ではなく、我々、国民が何を選択するか、だと思うのです。